Vintage Zippo ♯1
ヴィンテージジッポー。
これまで再三ヴィンテージには興味が無いだ、高過ぎて買えないだ、細かいディテールとかどうでもいいだとか言っちゃってましたけども、やっぱ古いモノも良いよねーってなワケで購入してみました。
元々こういう中古品や古着には何の抵抗も無いし、むしろ好きな方。
今回割と安く古い年代の物が手に入ったのでご紹介。
ASAM Wall Papers
企業広告物。昔の壁紙メーカーでしょうか。
表に柄がエッチングされていて、裏は無地だけど、下地の真鍮が露出しまくり。局所的に剥げている所も勿論だけど、全体的にメッキは薄くなっていて、角度によっては大分金色がかって見えますね。
擦り傷や何度も落としたであろう小さな凹みがあちこちに。
とまぁ、ざっくり見た通り、安く手に入った理由は状態とリペアの多さかと。
この年代でオリジナル・未使用・箱アリのデッドストックなら結構なお値段だったんだろうけど、まぁ古いモノだし仕方ないすね。
リペア箇所は、おそらくインナーは丸ごと交換。からのフリントホイールのリベット、カムピン、ヒンジも交換されているっぽく、メッキは剥げて、箱無し。
状態は良くないけれど、僕的にはそれで値段が大幅に下がってくれるならイッツオーライ。
むしろそれも味だと思うのですよ。
ジッポーは初期のモデルこそ今とは違うけれど、基本的な構造・外見の変化はほぼありません。
ただ、細かな部分でマイナーチェンジは繰り返されていて、そこで年代を見分けます。
まずはボトムスタンプ。
近年のモデルの様に製造年の刻印は無いですが、このスタンプは1946〜53年の間に製造された物。
次はインナーですが、上記のボトム刻印の時期はインナーの素材にニッケルシルバーが使われていたはずです。
ですが、どう見てもステンレススチールなので、後年交換されたモノと想像出来ます。からのリペア。
チムニー(風防)の穴の数も14個から16個になり、ホイールステイの形もそれまでの半円型とは異なり強化された物になって、ニッケルシルバーからステンレススチールに変わった1951年後期から53年前期頃のインサイドユニット。
勿論ヒンジも年代を特定する材料ですが、スポット溶接のダブりと、カムクリップの形状から交換されているものと思われます。3バレルだったのか5バレルだったのか。どっちやねーん。
ただ、リペアされている為に動作はすこぶる良好で、ガタつきも無いし、気分も良好でございます。
更に、1952年からは朝鮮戦争の影響で真鍮が不足し、ケースの素材はスチールになっていました。このジッポーのケースはブラスにクロムメッキがされているので、それより前の51年までのモデルという事になりますね。
という訳でこのジッポーはおそらく1948〜51年の間に製造され、インナーは後年次の年代の物に交換されたジッポーだと推測出来ます。多分ですけど。
なんか自分でも書いててワケ分かんなくなってきたですはい。
もっと細かい事を言えば、ボトムスタンプの文字の書体や間隔等で特定出来るんだろうけども、なんせこの年代はジッポーにとって細かな仕様の変化があった過渡期と言うか、本当にややこしい時期なので。
それにしても実に約70年前のジッポーですよ。
それをいま自分が手にしているなんて実に感慨深いですね。
そしてこの頃には既に現在とほぼ同じ形に落ち着いていたというのも驚き。
その証拠に、
現行のジッポーと比べてもほぼ違いは無いと言えます。
これ程長い間、ほとんど形を変えずに愛され続けているって凄いですよね。
手持ちのジッポーの中では断然高かったけど、ことヴィンテージにしては年代の割に安くて、我ながら本当に良い買い物をしたかなと思います。
このライターは一体どんな経緯でここまでやって来たのか、何人の人の手を渡って来たのか、それはどんな人だったのかなーんて、そういう事を色々想像するのも楽しいですよね。
これから少しづつヴィンテージジッポーを集めていこうかしら。
後、これにフリントとオイルを入れて使うかどうか本気で悩み中です。